ベッドアカデミー
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羽毛布団を選ぶコツと正しいケア方法

冬の季節に欠かせない羽毛布団。どういった種類の羽毛布団があって、それぞれどんな特徴があるのか。羽毛布団選びで失敗しないため、今回は高級ベッド専門店の店長に、「羽毛布団の選び方」について聞いてみました。さらに、できるだけ長く使い続けるためのコツについても指南!

目次

1:アヒルとガチョウ、暖かいのは?

2:希少なアイダーダック

3:圧縮袋は使って羽毛ぶとん保管はOK?

4:天日干しの注意点

5:電気毛布がオススメできないワケ

1:アヒルとガチョウ、暖かいのは?

羽毛布団って色々種類があって選ぶのに迷うんですが、どういった点に気をつけて選ぶのが良いか教えてもらえますか?

まず、一般的に羽毛布団には、アヒル(ダック)やガチョウ(グース)などの水鳥の羽毛が使われています。

アヒルと、ガチョウ、どんな違いがあるのでしょう?

アヒルとガチョウ、体の大きさが大きいのは・・・当然ガチョウです。ですから、胸元にある「ダウンボール」と呼ばれるタンポポの綿毛のようなダウンの大きさもガチョウの方が大きくなっています。そのため、ガチョウの羽毛の方が空気をたくさんふくむことができて、保温性が高くなります。

暖かいのはガチョウの羽毛ということですね。ちなみに、アヒルとガチョウ以外にも羽毛布団ってあるんですか?

アイダーダックという野ガモの羽毛が使われた羽毛布団もありますよ。

2:希少なアイダーダック

アイダーダックとは?

こちらとても稀少性の高い羽毛です。アイダーダックはグリーンランドなどの地域に生息し、国際保護鳥になっていて捕まえることができません。アイダーダックの巣にある羽毛を集めて、羽毛布団が作られます。

お値段は、やっぱり高いんでしょうか?

そうですね。アイダーダックの羽毛布団は非常に高額で販売されています。

その分、温かいのですか?

いえ、保温性に関して言えば、アイダーダックの羽毛布団とガチョウの羽毛布団と比べても、価格差ほどの違いはありません。希少性の価値ですね。

3:圧縮袋は使って羽毛ぶとん保管はOK?

羽毛布団って保管に気をつかうイメージがありますが、どのように保管するのが正しいのでしょう?

羽毛布団を使用しない季節は、くるくると巻き、小さく折りたたんでビニール製ケースなどに入れず、風呂敷などに包んで押入れの上段にて保管するのがおすすめです。

圧縮袋は使っても大丈夫ですか?

いえ、圧縮袋などを使用すると、羽毛の復元力が弱まるため使用しないでください。また、ベッドの下に保管する場合は、湿気がこもりやすくなりますので、湿気取りなどを利用した方が良いですね。

押入れに入れる場合も、湿気は気にした方が良いのでしょうか?

そうですね、押入れの上段に保管されていても湿気はどうしてもこもります。使い始めの話ですが、秋口などの使い始めには一度天日干しをし、湿気を飛ばしてから使うのが良いでしょう。

4:天日干しの注意点

普通に洗濯物みたいに干せば良いですか?

日焼けに気をつけてくださいね。天日干しをする際は、側生地が日焼けしないようにカバーをかけたり。時間も30分から1時間程度が良いですね。

急に雨とか降ってきたら最悪ですよね。

そうですね、羽毛布団は水に触れると、羽毛の油脂が水と反応し、鳥小屋のような匂いを放つことがあります。羽毛ぶとんには、その名の通り、羽毛が詰め込まれています。そして羽毛には油脂、つまりタンパク質が付着しており、それが匂いの原因になるのです。

なるほど・・・。

頑羽毛布団を生産する時、その油脂は洗い落とされているのですが・・・その洗いが弱いと羽毛布団は匂ってしまいます。

5:電気毛布がオススメできないワケ

じゃあ買うときに洗いがしっかりされているものを選んだ方が良いのでしょうか?

いえ、そうとも言い切れません。全ての油脂が落とされてしまうと羽毛が呼吸ができなくなってしまい、それはそれで問題なんです。ですからちょうど良い具合に油脂を落とされているものが良いですね。なかなかそこの見分けはつきにくいと思いますが、安価な羽毛布団は高価な羽毛布団に比べてやはり洗いが甘い傾向にあり、匂いやすくはなります。でも、気をつけてくださいね。高価だからといって全く匂わないかというと、そんなこともありません。羽毛は湿気に反応しやすく、高級羽毛布団であっても最悪の場合、部屋が鳥小屋のような匂いになってしまう可能性も大いにあります。

もしそのような事態に陥ってしまったらどうしたら良いですか?

クリーニングに出されることをお勧めします。おそらく乾かしたり干したりするだけでは対処は難しいでしょう。

そうですか・・・なんか羽毛布団は色々と気をつかうので電気毛布も考えているのですが、どうでしょう?

基本的には電気毛布はお勧めできません。一般的に電気毛布はニクロム線によって作られていますが、このニクロム線は人間が持っている水分を蒸発させてしまいます。そして脱水症状が起こりやすくなります。特に高齢者の方が電気毛布を使うと脱水症状が起こりやすくなりますので、おすすめできません。一方で羽毛布団の場合は、空気をご自身の体温で温める仕組みなので最も健康的です。

高級ベッドの選び方